災害対策手帳

①慢性腎臓病の患者さんへ

慢性腎臓病の患者さんへ

地震は他の巨大災害と異なり、いきなり襲ってくるため日ごろの準備・心構えが必要となります。東海地震、東南海地震のいずれの場合でも最も被害をうけるであろう県として、愛知腎臓財団専門委員会 松尾清一委員長の指示のもとに災害時マニュアル作成委員会(座長 名古屋市立大学病院 人工透析部、医療・福祉地域連携室 准教授吉田篤博)を開催し、腎不全患者さんの災害時対策手帳を作成しました。

 これは東海CAPD看護研究会が2005年から会を中心に多大な苦労の末に作成したPD災害対策手帳愛称”とっP” をもとに、災害時マニュアル作成委員会で検討を加え、腹膜透析患者さん用の“とっP”、血液透析患者さん用の“とっD”、 広く慢性腎臓病:CKD患者さん用の“とっC”の3種類のパタ-ンに改変しました。ご協力をいただいた各委員の先生方には紙面をかりて御礼申し上げます。

 従来のマニュアルと異なり、患者さんの心構えを中心に作成した災害対策手帳です。もう一つの特徴が、従来の対策は血液透析や腹膜透析を行われている患者さんを対象としたものですが、今回は一歩進んで透析に入られる前の慢性腎臓病(CKD)患者さん対象の災害対策手帳も一緒に作ったことです。

 CKDはここ数年注目されている概念で、従来の概念よりかなり広い腎疾患を含んでいます。 日本腎臓学会では、名古屋大学松尾清一教授が精力的に普及活動に努めておられる疾患概念でもあります。CKD患者は日本腎臓学会の報告では約2000万人と推定され、その多くの患者さんは自分の病気に気付いておらず、医療機関も把握できていないのが現状です。血液透析や腹膜透析患者さんは医療機関で登録されており、その人数の把握もされ、また食事指導や服薬指導を頻回に受けているのでまだ良いのですが、末期の腎不全患者さんでも自覚がないため、食事などにどのような注意をしてよいのかわかりません。また、医療機関側も災害時には採血などもできないため、どの程度腎機能が悪いのかわかりません。CKD患者さんは災害時の最も弱者になりそうですので、この人たちにも最低限の情報を伝えたいと思い、“とっC”を作成しました。

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