腎臓財団について

ごあいさつ

公益財団法人 愛知腎臓財団
会長 絹川 常郎

 公益財団法人愛知腎臓財団は、腎不全患者さんに最善かつ十分な医療が提供されるよう、腎不全に関する研究支援、慢性腎臓病の調査・啓発活動、腎臓をはじめとする臓器移植の推進に取り組んでいます。

 まず、この財団の設立経緯を説明しましょう。本財団の前身は、1971年6月に設立された財団法人愛知県腎不全対策協会です。当時、社会保険中京病院副院長の太田裕祥先生が、末期腎不全患者さんのために、愛知県、愛知県医師会、名古屋大学などの関係者と協力し、愛知県知事の認可を受けて設立に至りました。

 設立当時、患者さんは末期腎不全に至ると長期生存は困難でした。血液透析は保険診療の適応となったものの、実施できる施設は極めて少なく、患者さんの医療費負担も高額でした。これを軽減するため、同じころ設立された患者さんの会(現在の一般社団法人愛知県腎臓病協議会)との協働もあり、血液透析は更生医療および育成医療の対象となりました。一方、腎移植では長期の生着は極めてまれで、健康保険の適応もありませんでした。そのため協会は、血液透析医療への支援と並行して、死体腎移植の推進にも取り組みました。

 その一環として腎移植では、東海3県1市(愛知県・岐阜県・三重県・名古屋市)が協力して1978年に任意団体「東海腎臓バンク」が設立されましたが、1980年に腎バンクは各県に1つとする国の方針が示されたため、愛知県腎不全対策協会は定款を一部変更し、1987年には献腎移植のあっせんと移植施設を支援する腎バンク機能も有する「財団法人愛知腎臓財団」としました。これに伴い、1988年に東海腎臓バンクは解散しましたが、1990年代前半に、愛知県は腎臓提供数で日本一の実績をあげるに至りました。

 その後、1995年に社団法人日本腎臓移植ネットワークが発足し、1997年には脳死下ドナーからの臓器提供を認める臓器移植法が施行され、ネットワークは日本臓器移植ネットワークへ改組され、角膜以外の臓器のあっせんを行う唯一の組織となりました。その際、いくつもの複雑なルールが定められ、それまで臓器提供に積極的であった現場の負担が増しました。愛知県の臓器提供数は減少し、全国の提供数も期待を下回る結果となりました。

 2009年には、親族優先提供、ドナー年齢の撤廃、家族の同意のみによる脳死下臓器提供などが可能な、改正臓器移植法が成立しました。この法律の審議に際して、当時は多くの政党が党議拘束を外し、議員一人ひとりの判断に委ねる方針をとったため、愛知腎臓財団に関係する移植医らも愛知県選出の国会議員を訪ね、移植法改正の意義を丁寧に伝えました。

 その後、愛知腎臓財団は2012年に公益財団法人の認可を受け、今日に至っています。

 愛知腎臓財団が今後取り組むことは、以下に掲げる目標を高いレベルで実現することです。(今後の課題は、財団機関紙86号の巻頭言に少し詳しく掲載してあります。)

  • 国が進める臓器提供機会の増加のためのあっせん組織改革を理解し、腎臓以外の臓器も含めて協力する。
  • 今後増加が予想される移植手術に際して、移植外科医に求められる働き方改革を実現するため、移植施設の協力体制を充実させる。
  • 腎不全予防活動として、CKD診断方法を詳しく検討し、次々に出現する新しい治療方法の周知に努める。
  • 患者さんの高齢化に伴い、腎代替療法の種類を充実させ、十分な説明を受けて患者さんが自分に合った治療法を選択できる体制を確立する。

 上記以外の改革も検討中ですが、皆様のお力添えを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

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